人工呼吸器には「モード」があります。モードとは、呼吸器がどのように息を送るかのルールのようなものです。
SIMVとは何か
入院中の小児に多く使われるモードに「SIMV」があります。
SIMVをわかりやすく説明すると、「1分間に〇回、決まったタイミングで息を送る」設定です。お子さまが自分で息を吸おうとするタイミングに合わせて送ろうとしますが、あくまで決まった回数・決まったリズムが基本です。
なぜ自宅では不自然なのか
病院のベッドで安静にしているときと、自宅でご飯を食べているとき、遊んでいるとき、泣いているとき——呼吸の速さも深さも刻々と変わります。
SIMVは基本的に決まったタイミングで送気するため、体が「今、息を吸いたい」と求めるタイミングと呼吸器の動くタイミングがずれることがあります。この呼吸器との「非同調」が起きると、お子さまは不快感を覚えたり、呼吸に余分な力を使ったりすることになります。
PSVという選択肢
スマイルクリニックでは多くのお子さまにPSV(圧支持換気)を活用しています。
PSVは、「自分で息を吸おうとするたびに、その動きに合わせてサポートする」モードです。呼吸のリズムはお子さま自身が決め、呼吸器はそれに追従します。体の動きと呼吸器のタイミングが自然に合うため、同調性が高く、生活の中での呼吸が楽になります。
ただし、自発呼吸が弱いお子さまにはPSVだけでは不十分なことがあります。その場合はバックアップ機能を組み合わせたり、病状に応じて別のモードを選んだりします。一人ひとりの状態に合わせた設定の判断は、PICUでの経験が直接活きる部分です。
退院時の設定がそのままになっていませんか
退院時に設定されたモードが、ずっとそのまま使われているケースがあります。お子さまの成長や病状の変化に合わせて、呼吸器の設定も見直すことが大切です。
「なんとなく呼吸が苦しそう」「息を吸いづらそうに見える」「呼吸のリズムが不自然に感じる」——そんな気になる様子があれば、一度ご相談ください。
スマイルクリニックでは、訪問のたびに呼吸器の設定を確認・調整します。
